詩人:まろふに
真夏の夜空に大輪の花が咲く
鮮やかに光るたびに君の横顔照らす
浴衣のうなじがいつにも増してキレイで
言いかけた僕の言葉も響く音に消えていく
許されないことより自由の方が多いのに
ただ君に触れられないだけで こんなにも胸が苦しい
君の背中を抱きたい
蒸し暑い夏の夜が永遠に続くかと
思ったその時 君が振り向いた
花火に照らされて呟いた君の言葉も
繰り返し響いてくる音にかき消された
楽になれる道はいくらでもあるはずなのに
どうして僕はここに立ち尽くしている
花火はいつしか終わった
君の背中も見えない