詩人:リコ
頬を紅くするまでに
及ばない
ぬるまった湯
浸かり
熱らしからぬ水温は
骨まで届かず
その皮膚を
やんわりと
ふやけさせるのみだった
足湯から抜け出て
冷たくなった足
こべりついた
数々の悲鳴
ゼェゼェとしか
歩けない女に
なっていたのは
これらのせいに
しておいた
流れている
あの一切は
今日誰を無視して
震えている
この足は
何処に行こうとして
すがりついた
太郎の言葉が
どんなに私を揺さぶったって
宇宙宇宙と唱えても
精神度数1桁国家の中では
医者にかかれと
言われるまでで
誹謗悪態
ご馳走様と
食べ終わる頃には
それくれた輩が
見当たらない
ああそうか
離れたのは
私だったね
取り巻く全てが
虚無をくれた所で
糸をぐるぐる巻き込んでいる芯とやらは
この私で
咽びながら
ごめんねって
ごめんねって
さっきから
誰に
謝っているんだか