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詩人:どるとる
正しさと間違いの真ん中で僕は揺らいでる気持ちの置き場所を探してる ずっとずっと
これは正しい
これは間違い
一目見ただけでわかるならばそれは素晴らしい
だけれど物事はそんなに甘くはない
だから僕らは
良心を犯すのだ
ゆえに僕らは
精神を病むのだ
だから僕らは
立ち入りを禁じられた壁を砕くのだ
裁かれたとしても
はねのけられても
け飛ばされても
人間のリストから
はずされても
久々にまともに見上げた空はとても青かった
それなのに
どうしてだろう
こんなに僕は
ひとりぼっち
世の中を
うまいこと泳げない
まるで魚なのに泳げない魚みたい
まるで鳥なのに飛べない鳥みたい
名ばかりの人間
だけれど人類は人と人との共存に100%向いているとは言い切れない
だから
僕は僕の明日を探しに行くと決めた
たとえ明日が雨でも気にせずずぶぬれになって笑って見せよう
そして気づけば雨もやんでいて
きれいな虹が空におきまりみたいに出ていた
だけれどきれいだった
与えられ授けられた良心だけれど時には人を憎みうらむ気持ちで染まってしまうから
浮かべる笑顔も醜くゆがむけど
僕らはけっして
根っからの悪党ではない
人を許し人を愛し人を尊ぶ心をもつ
だからたとえ飛べなくても泳げなかろうと僕らはそれだけで人であるといえる
笑顔はゆがみ
涙が流れる
そんな時だって
目をつむれば
輝く
あの人の笑顔
そしてあたたかい想い出
それだけで雨もやんでいく
空はやっぱり青かった
ほらちょっとだけ通り雨に目をつむるだけですぐに晴れる
罪を犯す心と
罪を憎む心で
惑い迷う心は
明確な答を出さず
曖昧な返事で片付けるけれど
そんな僕だって人間なんだ
見返りを求めない誰かの優しさに涙止まらないから。