詩人:どるとる
ぼくら人間なんて
所詮 運命のなすがまま
しとしとと滴り落ちる
小さな水滴のひとしずく
地面に落ちるまでの時間を生きる
はじけたらもう二度ともとの形には戻れないひとしずく
だからこそ尊い
生きていくことは辛い
それでも生きたい気持ちは消えない
だからこそ生きてる
はじけてしまうまえにやりたいことをやろうとする
傷つき
傷つけて
時には過ちも犯す
永遠は無い
あるのは有限だ
だからこそ生きるよ
ひとしずくの時間を
ひとしずくの命を
精一杯 ただ 精一杯
のんびり生きるよ
ため息つくような
心に雨が降る日も
飛び跳ねちゃうような
楽しい日も
限られた時間の中でゆるされている範囲内で泣くよ笑うよふてくされるよ
回る季節が
カレンダーをめくらせる
そして夏は目と鼻の先
幻のようにあらわれてはやがて消える
シャボン玉のようなふわふわとした時間の中揺れる木洩れ日
広げたレジャーシート寝転がる
ひとしずくの永遠をきっとどこかで理解しながら削られる数秒をただ見送る
たった一度の一呼吸さえ惜しまずに。