詩人:夢中人
幼い記憶
貴方はしゃがれた声で
誰かの名前呟き頭を撫で楽しみをくれた
あれから10年ぐらい経つのかな
君付けで呼ばれなくなってしわを増やし撫でられることもなくなった
来年は此処へ移り住むよと
約束を交わし全てを隠した
何故こんなに悲しいと思わないのだろう
もう逢えない語れないと自覚をしたのに
何故こんなに淋しいと思わないのだろう
逢えないと言葉にしたら声にしたら涙が溢れていた
落ち葉を運ぶ風のように
僕の心にそっと吹き付けて痛く映えない悲しみを残した
微かにぼやけて記憶に笑みを浮かべる貴方へ
最後に
ごめんなさい…
ありがとう…