詩人:どるとる
夜のほんのちょっとした隙間から
ひょっこりあらわれて
そして
簡単にぼくの小さなハートを盗んでゆくよ
追いかけても
追いかけても
追いつけない
知り尽くしても
知り尽くしても
知り尽くせない
君はどんどん
変わってゆく
新しくなってゆく
生まれ変わる
心を着替えるように
視線を奪ったまま
そっけなく微笑む
器用さはまるで
泥棒 恋泥棒
今日もぼくは
ハート盗まれたまま
君に夢中
ずっと夢中
神様より遠い人
猫のように
早足でどこかに消える
夜の隙間にまた
戻ってゆく
かすかな匂いを
残したまま
ぼくのハートを
盗んだそのまま。