詩人:どるとる
世の中にはぼくなんてちっぽけなほど
たくさん不幸抱えてる人がいるのにね
人はいつもふつう以上の幸せをかぎりなく求める
悲劇の舞台上
自分だけが悲しいように振る舞いながら
涙を流す
演技で拍手をもらってもうれしくなんかないんだ
雨が降る 心に降る
冷たい雨が ほら
言葉なんかじゃ言えないから 悲しくて悲しくて仕方ないよ
雨は降る 心に降る
やまない雨が ほら
ゆっくりゆっくり純粋をおかすように壊していくよ
あの人より
あの人よりも
幸せがほしい
欲望が汚す心
かぎりなく
ぼくを汚してく
雨よ やんでくれ
ぼくはもう濡れすぎた
心まで びしょぬれさ
どれだけ今が幸せなのかはわかっていたよ
ただそれがぼくには物足りなかっただけさ
だからそれ以上を求める心を捨てさえすればまたあの頃の純粋な笑顔でいれるだろう
そして誰かを愛すこともできるだろう
心から
雨は一時やんだ
つかの間の晴れ間に
傘を折りたたむ
ぼくは不安がりながらも君のやわいからだを抱きしめる。