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[114249] 時を刻む針のように

詩人:甘味亭 真朱麻呂


時計は休まず動き続ける
運命さえも受け入れるように
待ちくたびれた歯ぎしり
その音だけがキリキリうるさい

大切なもの ひとつだけみつけたよ
止めようもない季節がまた新しい季節をはこんできたよ 窓からはいる風の匂いと 花びら散らせて
大切なもの このひとつだけはなくしちゃいけないふたりの宝物
指切りする 過去と未来そして今 重なり合う瞬間に光見えたそう確かに…確かに

時を刻む針のように
僕はあなたとの時間を数え上げた
両手についてる指をぜんぶ使っても足りないほどさ
時は流れるそれは仕方のない事だけど
当たり前だとは思いたくない その流れにさらわれた人たちの命が無駄になってしまうような気がして
当然と言ってしまった瞬間にそうなるような気がして

行かないでと時を呼び止めもしない
だって振り返らないから
時はとまらないから
なにをしても針を戻したって時の歯車は少しずつ少しずつ命を削りすり減らしていく
その緩やかでいて時に激しい流れの中でなにか生きていくための光をみつけたいな

先は長い まだまだ終わらない
朝がきて 夢から目覚めた僕は
いつものように何気ないふりしてあくびをするのに
そんな暮らしの中に何ひとつ汚れ物なんてありはしない

チクタク チクタク
針は秒刻みで進む
秒読みをするみたい
終わりを告げる音
チクタク チクタク
心の砂時計は逆さにはできないんだから
なんだかもどかしい気持ちに気付いたら涙があふれてきた
思いがこみ上げてきた

身を任す 身を任す
時を刻む針に合わせ
身を任す 身を任す
そうせざるを負えず

いつだって時間に追われるようにして
楽しい時間もほら過ぎる
思ったよりも「あっ」という間もなく

2007/11/08 (Thu)
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