詩人:どるとる
月のゆりかごに揺られている夜
静かな闇の中
安らえる心地
月のゆりかごは程よく揺れる
華やかな町を外れ
ちっぽけな団地さえ照らす月明かり
誰も居ない公園
風に揺れるブランコ
そして舞い上がる落ち葉
月の光に照らされて
包まれて
君が隣に居れば
完璧なのにね
ぼくにはそんな人はいやしないよ
でもどこか
優しい気持ち
おだやかな夜、零時
月のゆりかごは止まらない
一定の速さで揺られている
ぼくはすやすや夢の中
どんな夢見てるのかな
朝目覚めたら全部
忘れているだろう
月の光が雲に遮られ
闇が深くなったら
もう寝る頃合いさ
月よ おやすみ
ぼくは寝るとするよ
明日もこの窓辺に
顔を出しておくれ
月よ おやすみ
今夜もありがとう
明日もこの窓辺で
お話をしよう
お話をしよう
閉じるまぶたと
途切れる意識
優しい闇の中
夢が遊び出す
太陽が昇る
夜明けまで
ゆりかごは
ぼくをのせて揺れる。