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詩人:甘味亭 真朱麻呂
紛れもなく僕だった
それだけは憶えてる
確かな事実だから
今日も明日も
願うだろう
願いは尽きずそれどころか増えていくから
いいわけさえ見苦しい
布切れの丘で夢をみたいつかの僕がここに居たこと
知っているのは綿になり帰らぬ旅に出たキミをおいて キミ以外居ないから
ああ もうなかったのも同じだろう
後は僕が忘れてしまえば夢みなかったのと同じだ
でもその方法がわからないんだ
だから今もあきらめた夢が後悔として胸に残る
どうすりゃいいんだ?
木の葉舞う風に訪ねてみても答はわからないらしい
ただあの日と同じように空を見てるだけ
いつもいつまでも
借り物の体をあえて自由にせずに
いつか別れを告げる借り物の体とも世界も
だから僕は人間じゃない心を厚い布で覆った化け物さ
きっと誰も誰でも
叶いもしないくらい大きな夢を最初にみるでしょう
無謀なくらいむなしい夢を
そして折れ線のように別の道を選ぶ
そんな人がほとんどでしょう
だから僕もそんな風に別の道を選んだだけ 選んだまでさ
それを罪と咎めるか?って言ったら誰にもできないんだそこに感情が唯一あるとすれば悔やみというむなしき夢の残骸(あと)だけさ僕が居るべき場所は今となれば屈託のない現実だけさ
それだけだ
ああ 風が吹く
ああ 思いさらう
空見上げる キミ思い出す 遠いあの日から今この瞬間までたどるように。