詩人:トケルネコ
死にたくないと角を曲がったって
お前の心臓は見つかりゃしない
斧で新聞紙を切り刻んだって
バラバラ死体を地下室に捜したって
何処にも自分自身なんて代物は無い
それは空疎なハコモノでしか無い
自殺志願者は終わらない掃き溜めに列を作り
誰が次に飛び込むか 他人のコインに託す
さざ波が皺を刻む
ベッドシーツが夜毎汚されてゆくように
洗いざらしのカーテンは日々を買い占め
誰からも否定されたまま… 腰から血を流す女
生の意味を探し 真っ更な崖をよじ登っても
空っぽな蜃気楼しか飲み込めないなら
此処は 仕分けるための排便器
星が丸いなんて知るべきじゃなかった
詩はペン先にこじつけた裁断器
愛が小便臭くないなんて 知りたくもなかった
真実に証明が必要ないなんて・・・
誰も知りたがらなかった