詩人:どるとる
まぶた 閉じれば
いつでも
君の微笑む
顔が浮かぶよ
いつの日だったか
出会い恋に落ちた
青春とでも呼ぶべき物語
心さえ 凍えてしまうような 冷たい風に吹かれて
立ち止まる黄昏の中 帰り道の途中
隣には君の姿は…無い
それじゃさよなら
そう、言い交わすだけで終わる恋
積み重ねた
何年もの月日は
手を離すように
あっという間に
終わったよ
あっけないもんだね
君の背中 だんだん遠くなる あの場面が今でも頭からますます消えないよ
芳醇な思い出よ
なぜにぼくから
離れようとしないのか
優しい風が髪を撫でて そろそろ夏も遠ざかる予感
あの恋はきっと運命じゃない
そう、決めつけて 忘れたことにしても
君を好きなぼくがまだ死んでないんだよ
昔を振り返るたび
君がこちらをむいて笑うのがとてもつらいんだ
いつでも
君が浮かんでは
涙ににじんで
消えてゆく
水に溶けた絵の具のように画用紙のような記憶の中で君がつぶやいたさよならが胸を突き刺すよ
この痛みは言葉にもならないくらいぎゅっとせつない
それじゃさよなら
そう、言い交わすだけで終わる恋
積み重ねた
何年もの月日は
手を離すように
あっという間に
終わったよ
あっけないもんだね
君の背中 だんだん遠くなる あの場面が今でも頭からますます消えないよ
絡まった糸のように
ほらほどけないくらいぐちゃぐちゃになった消せない記憶は無修正
消したい真実が裸のまんまだ
さよなら
さよなら
風に吹かれて
どっかに
消えちまえ
忘れたいのに
忘れたくない
不思議な気持ちで
今も残る君の笑顔とあのさよなら
この気持ちはなんだろう
特別な思い出で
悲しい思い出で
だから いつまでも忘れたくなくて
それでもどこかで忘れたくないと思う自分がいる
そんな不思議な気持ち
今もたまに
浮かぶよ
君のあの笑顔。