詩人:大示
分厚い殻の中で、膝を抱えて
カルシウムばかり生み出していた
泣き虫の僕は小鳥にもなれないよ
どろどろのぬるま湯に浸って
養分渇れるまで眠れたら
幸せだろうか
飛び立つ夢は靄の中で
薄れて行くのに
虚しさは色濃く広がって苦しめる
翼の形すら無いのに
空への憧れは毎夜訪れる
身分不相応、と笑われる前に
僕は定まらない身体を引き摺って
風化した殻を撃ち破り
無い翼を広げよう
他の翼を奪おうとは思わないよ
もう解っているんだ
引きちぎられるのが
どれほど、辛いか
空虚な翼があの青空に映える頃
今よりは
今よりは直視できる僕に
なっているだろう
遠ざかる大地に残した殻を
見下ろして
微かに痛む心を抱きしめたい