詩人:望月 ゆき
水晶を手にして
天使が舌打ち
思い通りになりゃあしない
ぼくをよく知らない
きみのリアリティは
いつも 悲しみと
奇妙な苦笑いを併発させる
ぼくがいけない
5分前の明日を
きみの手のひらに見つけられなかった ぼくが
きみがいけない
ぼくのつま先が奏でる合図に振り返った きみが
ため息の瞬間
舌打ち天使は
水晶をポッケに入れ
背中の羽を丁寧に折りたたみながら
きみの中に 帰っていった
ぼくの中の
悪魔が
火花を散らしながら顔をだす
思い通りになんて
絶対にさせるもんか
2004/07/31 (Sat)