詩人:甘味亭 真朱麻呂
時だけがすり減っていくだけ 差し迫る終わりの日にほろ苦い想いを馳せたまま
気持ちは風に吹かれ黄昏に染まる空が泣き出した 夕立の点描がアスファルトを点々と黒く描いていく
点と点をただ結ぶようにひとつの画にしていく
こんがらがった線と線をまっすぐな糸に戻すように
何ひとつ僕の人生に狂いが生じたり壊れるたをそのままほったらかしにしとくのはできないから
狂ったなら
絡まったのなら
直すまで 直すまで
絡まった現在(いま)がそのまま絡まった未来にならぬように
そのまま狂った人生で終わらせないために僕は何年何十年かかっても かかったとしても
糸をほどこうと指先を動かし続ける ただきりもなく同じような情景をずっと見つめ続けて
現実から逃げたり目を背けることはしたくないしできないから
妄想におぼれない程度に 程度の無謀な夢をもみたりする
夜の中 昼間でも 時間に関係なく自分だけの閉じられた世界が誰にも狂いを止めるため壊れるのを防ぐため機械のメンテナンスと同じように時々は必要だから
壊れきってしまわぬように
狂いすぎてしまわぬところまで
僕は夢をみて
現実という
世界の中に 頭の中想像めぐらせて点を打ちそれを構想という衝動的な行動だけで夢を現実のものにするために線でつなぐ
そしてまたその線に点までつながったらまた次の点を打ち
そしてそれを何度も繰り返し 最後に行き着いた点が人生の終わりという終着点
そこに行き着くまでは僕は点を打ち続け思った通りにいかなくてもその点は打ち続けなければ途中で点を打つのをやめたならば後はただ貧しくなるのを待てばいい 冬の寒さにも凍えたいのなら そのままあの世にカミングアウト
シャットダウンのボタンを押せば楽になれる 押せばいいさ
でも僕は生きていく
今も点を打つはずだった所がちょっと違ってるけど
それでも生きていればそれなり