詩人:どるとる
積み木のように
ひとつずつ
積み重ねてきた
思い出よ
忘れ得ぬ記憶たちよ
いつか 僕が死んでしまえば行き場をなくして記憶の墓場へ行くだろう
さよなら 今日も終わってしまうんだね
いやなことも楽しかったことも全部まとめて愛すことができたならいいのにね
今まで 過ごしてきた日々はなんだかんだいってもまるで万華鏡のようにきらめく景色みたいだった
それこそ夢のように
過ぎ去っていったね
影のような思い出だけ胸に置き去りにして
僕の僕だけのメモリーグラス
ガラスのように儚くもろい記憶
日を追うたび古い記憶からだんだん忘れていってしまうのかな
君の君だけのメモリーグラス
ガラスが割れてしまうように粉々になった思い出よ
気安く触れようものなら傷ついてしまう
悲しみも切なさもすべて
僕の僕だけのメモリーグラス
ふいに思い出しては
思い出せない部分がまるでモザイクがかかったように曖昧に見えるよ
割れてしまう
思い出は
粉々になった
記憶は
それはそれとして
胸にそっと弔えば
また新しい記憶が
僕を支えてくれる
だから
時の流れに逆らうまでもないけど
少しだけ悲しくても
それは運命られたことだと新しい記憶を描いてゆこう 胸に
見たままの景色すべてはおぼえられなくても
きっと胸にはその時感じた気持ちは消えないでいつまでもいつまでもあり続けるから
メモリーグラスは割れてなお輝く思い出さ
積み重ねることも
忘れてゆくことも
すべては生きていることの証だと僕は思った。