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[159851] 夕日の背中

詩人:どるとる


窓辺 揺れる花瓶にさした花
夢を見ていたのに
内容までは憶えてない

目覚めた時
そこはもう夜の闇の中
素敵な夕日を見そびれた

目をつむり イメージを膨らませても
そこには 影のような原型のない何かが揺れてるだけ

夕日の背中にせめてさよならと言ってから眠ればよかった
今日の君とはもう会えないんだから
明日の夕日とは違う夕日なんだから
そんなことを言いながら笑ってる僕の目じりにはかすかに光る涙のあとと夜空に光る星屑の輝き
弧を描き流れては落ちてく

さよなら さよなら
さよなら さよなら
弔うように言うよ
明日の僕は何か
変われるのかな
それとも今のまんまかな
何がよくて何がいいのかさえわからないまま
夢に落ちてゆきそうな意識途切れるまえに思うことは
どうせろくなことじゃないけど

おやすみを言うよ
すでにこの場を去った夕日の背中に

枕に沈んで
布団に埋もれ
規則のない
安らかな
夢が広がる
押し寄せる
安眠の中
乱れのない波が
明け方までつづく

いつの間にか
涙はかわいている。

2010/08/24 (Tue)
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