詩人:あいる
夜しか知らない君は
夜空を青いと言った
朝から起きてる誰かは
夜は黒いと言った
昼は怖いと
遠近感を知らない絵画は
空と海とボクを重ねた
名を持たない犬たちは
人種を檻と呼んだ
梅雨明けの雲は
時を止めるだろう
月の裏側が気になる
あの娘は空を駆けた
空が気になるボクは
それを流れ星と呼んだ
たびたび
出くわす渡り鳥は
風に溶け込んだ
名もない光は
瞳を透かした
ふざけて伸ばした手
月に届いてしまって
君に渡しにいくね
君はボクに触れて
名もない感情に溺れると言った
孤独しか知らないのは
言葉だ
求めた自由は
束縛と読んだ
透けた瞳は命を唄う
泣いたボクを見て
君は流れ星と呼んだ
キスも知らないボクらは
愛に触れる