詩人:高級スプーン似
代わり映えのしない
真夜中に
あの頃と変わらない
空虚を患って
ケータイに向かい
文字を打っている
いつまでも
ぽっかりと空いた穴
塞がることはなく
埋めることもなく
この時間になると
思い出したかのように
空虚を患って
文字を打っている
早く寝ないと
この文字を遺しても
明日に疲れが残るだけ
わかっているのに
利かない親指
あの頃と変わらない
真夜中に
代わり映えのしない
空虚を患って
ケータイに向かい
文字を打っている
喜びはないけれど
他にはないこの場所で
一匙の を描いて
眠りにつくまで
うつろなままで