詩人：トケルネコ

煙突のコラージュ　剥がしましょ
プリンの蛍光灯　灯しましょ

ヒドク息ぎれ　アルトの森で薪割りしましょうよ
届く　絵の具　パレットは夜の珊瑚礁　青空は今夜中に手渡せる
私はわたしの喉仏　気づかないほど音信不通、ね

背広のお父さん　見つめましょ
隠したホットケーキ　切り分けましょ
辿る田の畦　泥まみれで笑いましょうよ

校庭　フェンス　アキアカネのリボン　水性アクリル空に弾いて
僕はぼくの耳たぶ　フトした午後に触ってばかり、さ

親切なおじいさん　あなたは子供の手を取って
橋の真ん中で白紙を蝶に変えた
アリガトウと言い忘れた帰り道　ふり向くと、まだ手を振っていた
ポトリ放したのは人いきれの喫茶店　満たされないばかりの人波　眺めてた
その曲を聴いたのは台所のラジオ　母が少しだけ忙しい仕草やめ
そっと聴き入った　日曜の雨音のような歌

糸杉の過去を　手繰りましょ
カナブンをアミドの森に　探しましょ
イノリ息ぎれ　アコースティックギターを太陽に

コナゴナに放しましょ
ギラギラと燃やしましょ
ソワソワと踊りましょ
ウルウルと橋の上で歌いましょうよ

わたしは日曜の雨音に溜息ばかり、ね