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詩人:まとりょ〜鹿
地面に染み付く
汚らわしい臭い
大通りを抜けて
薄暗い路地を曲がれば
ぱんぱん
私は手を叩く。
汚らわしい街に
姿を曝せば
白む事の無い
灰色ネオンの空の下
ぱんぱん
私は笑って
愛想よくして
街行く男に手を叩く。
今夜はシケてんのね。
なかなか買い手が見つからぬ。
汚らわしい奴めと
汚らわしい女を
金で拘束した男が
一糸纏わぬ男が
私に手を上げ笑ったわ
私も耐えて笑ったわ。
滑稽だもの。
この街も
男も
そして何より私も。
今日も私
いつものドヤ街の隅で私、
ぱんぱん ぱんぱん
手を叩く。
まだ
笑えるなら
明日も此処で
ぱんぱん ぱんぱん
手を叩く。
まだ生きる。
汚らわしい街。
汚らわしい体。
汚らわしい私の魂。街。