詩人:快感じゃがー
五月雨らしきものに濡れて
白いビニル傘に包まった
怯えた眼などしてないわ!
ただ、何もかもを
飲み込んでは吐きだしてしまう
まるで、乙女のよな
か弱い生き物の如く...。
シャットアウトされた
あの扉の向こうで
春告鳥は鳴いていましたか
萌黄色の濃淡に酔った朝
あたしが逃がしてやりたかった
けれど時々、その音は
耳に纏わりつき
現実を覆い隠し
ちいさな呼吸を止めてゆくのよ
大人にもコドモにも
なるなと言い残したままで
"本当"の行方など
誰も知らぬままで。
ほら、後悔を濁すばかりで美しくないの
あたしはただ、あなたと
同じ時間に生きたかった
それだけ。
流れる川のように...
広い沖に辿り着くまで...
ひたすらに、そう
目をつむってね
未来の果てまで
『未来の果てまで』
ねえ、そうしたら
あなたは待っていてくれたの?
あたしのことだけ
想っていてくれたの
あの人を埋めずにすんだの?
あたしを終わらせずにすんだの
止まない雨が
すべてを逆撫でる
ココロまで融けた
甘いミルクティーの湯気で
あたしには
なんにも
見えなくなってしまった...
なんにもなんにも
見えなくなってしまった。