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詩人:甘味亭 真朱麻呂
僕の毎日はただ早々と過ぎていく
季節はもう冬だし春を待つことも
なんだか慣れてしまってこんなに僕は年を重ねてしまった
誕生日が来てもクリスマスが来ても
別になんにもおもしろくもないし祝うこともなくいつものように過ごすんだ
街はそれを思わせるかのように赤や緑色の飾りできれいだけど
なんかさびしくてなんかもどかしくて胸の奥のあたりがほろ苦いような気持ちになる
時の流れのはかなさやさびしさを今僕は冬がくるたび知るのだろうか
早く愛を見つけなければ迷路のように入り組んだこの街で
心はいったいどこへさまようというのか
旅はもう終わりなのにな世界が夢の終わりを告げているから
もうさよならをしなければならないのさ
通りすぎる景色は気にしてないから頭の中にはぼんやりしててなにがあったのか憶えてはない
眼を閉じると今も見えるんだ
子供のころに見た
実在するのかやどこなのかはわからないけど不思議な場所
水の壁が青や赤のライトに照らされて
トンネルみたいに僕は包まれてそのゆっくりとした静かな流れに目をうばわれていた
いったい僕はこの長い数年で何を変えてしまったのか 何を捨てて失ってしまったというのか
今はもう時が流れすぎたから記憶に古すぎてわからないんだ
思い出せないんだ
そのくらいに僕はあの頃に比べれば
ずい分歳をとり無駄に笑いすぎたような気がして仕方ないのさ
それでも何かを愛せたならば
たちどころに世界が明るくなるのにと見上げた夜空僕を悩まし迷わせる心に続く道
この世界にあふれるたくさんの疑問がいつでも僕に次の言葉を求めてくるから
追い立て差し迫る時があっという間にすぐ過ぎ去っていく
だから歩いてきてしまえばちょろかったとか長かったとか
ようするに先は残り少ないくらい道はせばまり後がないくらい歳を重ねそのあまりのあっという間さ