詩人:どるとる
切なさを半ばむりやりポケットに押し込めて
たまには路地裏の猫に申し訳程度あいさつをして
友達のいない人は
ひとりぼっちで空を見上げてわけもなく微笑む
読みたい本もない
行きたい場所もない
会いたい人もいない
したいことはない
だからといって生きたくないということじゃないけど
ただなんとなく
思い出したように
ふと気づけば
泣きたくなるだけ
真っ赤な夕日が今にも落ちそうだから
さみしくなるのはあたりまえなのさ
切なくなるのも悲しくなるのもあたりまえなのさ
二度と戻らない時間を名残惜しく思うほど今日に未練があるわけじゃないけど
ただなんとなく
ただなんとなく
胸のあたりがズキンと痛むだけ
ピュアな気持ち
それはいつでも
ヌードだから
隠しようもない
ごまかしようもない
だからこそ
涙は僕のいうとおりにはならない
ほらまたあふれ出す
抑えようもないほど
悲しさ
切なさ
わびしさ
ちょっとのさびしさ
そんな気持ちがSOS信号出してる
僕がどんなに
強がっても
そこには
いつでも素直な気持ちが涙になって
胸の奥深くに隠した悲しみを引っ張り出すよ
心に雨が降り出したら
目に見える世界は一面群青色。