詩人:紅麗-クレイ-
南から来る風はドコか暖かくて涙がポロリと頬を掠める。優しい母のように風は過ぎ去り厳しい父のように波は行き返り夏という季節の始まりを示す。人は皆、夏に恋い焦がれて少年は青年に。夏が終わり始めて少女は大人に。今年も南からの風に包まれ、波のように儚き、美しき、憂いき、恋は陽炎と成る。