詩人:阿紀奈
『さよなら』なんて言えなかった。言いたくなかったから…。貴方と離れるなんて思いもしなかった。貴方から別れを切り出されて私は、何も言えなくて…ただ、震える拳を握り締めた。ベッドの上で眠る貴方の寝顔は、昨日より、少しやつれて見えた。私を悲しませない為に言ってくれた別れ…。貴方が吐いた、『優しい嘘』でも、その一言の方が私を傷付けた事に気がついてほしい。