詩人:橙丸
ここに立って
眺める景色は
変わらない
木々が風に揺れ
銀色の陽射しが
柔らかな光を投げつけ
涼しげな木陰をつくりだす
なんとなく
のんびりと時間が流れていくようで
ささくれだった心も
ヒビが入った心も
優しく癒してくれる気がする
あの道
子供のころに通ったあの道
周りはすっかり変わっちまったけど
あの道は昔のままだ
確か
あの先は
子供のころ通ったきり
二度と通ったことのないあの道
ふと
踏みだしそうになった右足
いや
やっぱりやめとこう
たとえ
本当は今がどうなっていようと
あの道の先には
あの景色がある
俺の知っている
あの景色が
それでいい