詩人:曼珠沙華
暗くなって
淋しくなりかけた頃
もっと暗い部屋に
帰らなきゃ
鍵を開けて入ると
怖くなる
隅々まで見渡せば
カーテンの裏に
誰か隠れてるのよ
あゝあなた
今頃どこにいるの?
一歩も動けないわ
守ってくれると
言ったじゃない
それは三年前の
五月二十八日
おぼえてるかしら
この声が伝わるかしら
ひどく震えてるわ
きっと殺されるのよ
あゝあなた
こんな時危ない時には
いつも見守って
抱きしめて
くれたじゃない
安心する場所が
ずっと欲しかった
あなたの腕で
それは感じるカタチ
他の人では
それは望めない
どうして
たった一人なのかしら
いつも
そばにいてとは
言わないから
ずっと
そばにいてとは
言えないから