詩人:郵便屋
二つの平行に並ぶ道
その上を
私とあの人は歩き続ける
この二つの道は
寄り添うこともなく
遠ざかることもなく
交わることもなく
重なることもなく
ただ
平行に進んでく
たまに
ゆらりと揺れることもあるけど
一定の距離を保った
平行線の道の上を
二人は歩く
それぞれの道に
誰かの道が重なったり
遠ざかったり
ずっと生きていく人と同じ道を歩み出したり
そうした
山や谷を歩きながら
向こうの道にいる
あの人が時々
「よぉ」って声かけてくれたり
私が笑いかけたり
あの人が笑い返してくれたり
ケンカしたり
いつの間に仲直りしたり
そんな風に
きっと
この二つの道の上を
私とあの人は
歩き続けるんだろう
重なったりしたかったのは本音だけど
今は向こうの道を歩く彼がいるだけで嬉しいんだ
また手を振るからね
これからもこの平行線の道を歩こう
あの人の笑顔を
平行線上で見られるなんて
それは
私にとって
とてもとても
素敵な奇跡なんです