詩人:きよたか
秋にふる雨を"あきさめ"と
誰かが決めたらしい。
僕は雨に、特別な感情を抱く事はないのだけれど
それを決めた人はきっと、"秋にふる雨"に何かを感じたのだろうね。
秋にふる雨を"優しい雨"と
君は呼んだ。
僕は特別、雨を優しいと感じた事はなかったのだけれど。
君は少し目をこすって、"優しい雨"だと言った。
あの日君はすべてを話してはくれなかったけれど
なんとなく、悲しんでいる事はわかった。
だのに結局僕はと言えば、雨に打たれるだけで
君に気のきいた
優しい言葉のひとつも、かけてあげられなくて
何も言わない君の横顔が、秋雨に濡れて
余計に悲しく見えたんだ。