詩人:あいる
優しいんじゃなくて
怒れない、と
梅雨入りの風がほざいた
堪忍袋に開けた穴
大切なものまで
逃げ出した
好きなチャンネルは砂嵐
酷く泣けるんだ
三色電光
みんな位置についての
ヨーイドンで鳴らす
ピストルは
拳銃を真似た
ボクの前足
コメカミに狙って
一人フライング
青黄赤
進め
進め
進め
ゼブラ柄の白だけ
踏んづけて駆けた
みんなボクに中指立てる
じゃあ、
誰が一等賞?
孤独は好んでボクに
寄り添って
日々浸水
身悶える夜光虫
湿気った唇で
キスしてあげた
もうちょいがんばれ
ボクの涙腺
結末は酷く安直な
ハッピーエンドでも
二時間でケリがつく
サスペンスに
興味はないんだ
1秒後なんて
誰も知らない