詩人:どるとる
心に降る 雨はまだやまずに降り続く
繰り返される季節の中で鳴きやまない
蝉しぐれ
まるでそれは
覚めない夢を見ているような不思議な気分
涼しくなるのは
いつになるだろうか
風当たりの悪い部屋
人当たりの悪い会社
僕の居場所は少しもない
油断したら溶けてしまいそうな夏の暑さにあえぎながら
金魚のように口をだらしなくあけたまま
日陰から出られずにいるよ いつまでも
夏の夢はまだ僕を目覚めさせない
暑さはしばらく続く
忘れたころに消える
夏の暑さも こう続くといやにもなるね
手放せないうちわ
かけっぱなしのエアコン
寝苦しい夏の夜
それは全て夏の夢
過ぎてしまえば幻
だけれど今はリアルよりリアルすぎる夢
僕は早く この暑さが消えてくれるのを待つ。