詩人:あいる
「自然の部屋」
コーンポタージュの
コーンのように
ロックグラスの
氷のように
それとなく
当たり前のよう
身のまわりに
溶け込みたいんだ
もともと
人は、
鳥と話せる
風を聴ける
星が見てる
気流が見えるのさ
一つ話すとすれば・・・
この世にある
どの集合写真にも、
どこかに
君が居る
ボクが居る
似てる表情した人が
十人に一人は
まま居るのもそうだし、
写真の一部分に、
点のつぶてで ホコリに交じって舞ってたり、
うぶ毛や、あぶらカスで
すみっこに佇んでもいる
愛だ、愛だ、と
あんまし
大きく振りかぶらないでいいよ
心霊写真じゃないけど、
この世はずーっと、
つながってるのさ
一度も君に逢わなくても
死ぬまで君を忘れない
そんなふうに、
透明度のあるアクセント
主人公じゃなくていい
脇役もいらないよ
あちこちの雑誌にも
これだけしゃべってりゃあ、どっかに載ってる
毎日印刷される日本語の本に必ず出てる
だって、
簡単なひらがなだもの、
“あ”も、“い”も、“る”も、
どっかのページに
絶対出てる
ぽつんと、でもね!
それとなく
君と笑っていたい
ボクでありたい
ここじゃない、どこかへ
一度行って
帰ってこよう
今じゃない今
君じゃない人
そう
成って、また、
違ってくる
実物が基本なのさ
ぼくら
ロボットじゃない
人は、むき出し
身は、はだか
集え自然児
夏に誘われてさ。
着の身着のままで笑おう
この詩を創ったのも
ボクらとみんな
画面を通り抜け
握手しよ