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詩人:甘味亭 真朱麻呂
どうしていつも君は泣いているの?
誰もいない教室の片隅で独り暮れゆく空を少し見つめ泣いてる
どうしたのなんて聞いても何もいわずに
ただ君は何でもないとさえぎる僕をむりやり押しのけて教室を出て行く放課後
少し顔を伏せて泣いてたのはなぜって理由があるはずなのに
関係ない僕には話せないと君はかたく話すのを拒んだ
走り去る背中にひそんだ陰りという影
それは青春の光と影を背負い込んだ人の背中だった
君にも僕と同じようにたくさんの迷いや悩みがあるのかな
苦しんでるのかな
やがて僕らはそれとなく気付けばいつの間にか話せるような関係になった
好きな本の話やなんかのテレビの話とかしたよ
お互いに気の合う友もなくただつまらないだけの行ってるだけで時間つぶしのような学校で孤独なふたりは案外すぐに友達になれた ほしかったと思ってたしね1人でも一番の話し相手が
気付けばお互いがお互いのことを意識しはじめて思い始めていた小さな小さな恋の始まり
だけど
君は二学期の後半の八月の夏にこの教室と僕に別れを告げて
別れの言葉だけを残して去っていきました
目立つこともないあなたの教室内での存在はないのも同じくらい薄かった
だから別に彼女の転向の話を聞いても薄情なもので誰もえ?誰?って感じできょとんとしただけの様子ですぐにまた教室は彼女の話題も出ることなくいつもの教室に戻りざわつきはじめて
こんなに居る中で僕だけが君のことを強く思った
薄情な奴らの代わりに
君を好きな僕として
もう気づいてたこの思いにいい加減素直になるよ
それでも君はもう素直になっても今さら君の居ないこの街で
明日発つって日にもなんか行きづらくて
悲しくて悲しくて
さよならも言えずに
行ったら行ったでなんか引き戻していやだよと泣き叫んじまうような勝手なことをしちまいそうだったから…