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詩人:あいる
レモンを
楽しむものだから、
砂糖なんて
入れてくれるな。
ルージュなしのキスが
寝起きの眼が
網膜に
ひっぱられるように
ボクは足を
踏み出した高度0センチ
打って変わって
朝目覚めれば
猛毒を吐く新聞紙
人知れず盲目を抱き
投げつけられる冒涜
鳴動したケータイは
硬質な音色で
ボクを呼ぶ慟哭
どこ行った道徳
醒めきった情熱を
冷静だなんて
呼んでくれるな。
寝ぼけ眼は
真空を眺める波長
閉じちゃえば
なんだってミレル
唇の熱、七度二分
夏が、終わる
降り注ぐ夏雨を
君は砂糖と呼んで踊る
踏んでる靴のかかとが
気にならなくなったころ
溶け出した砂糖は
二人を濡らして