詩人:さきネコ
天を切り裂くように 振りかざした刃(やいば)でさえ
一瞬の火の粉を放ち そのまま消滅してゆく定め
時間軸は揺るがせない 捻じ曲げられない 歪まない
諦めきれないこの想いを 悪魔の顔してじらすように
眠ったまま目覚めることのない街
静寂だけが全てを彩る 無意味な時代を創り
行きつく場所なんて初めから 用意されていないと知って
手の届いていたはずの空が 今はもうあんなに遠い
輝いていた未来が 燃え尽きた灰になり
確固たる信念も 形そのままに黒ずんで
今僕が握っているのは 失いきれなかった夢だけ
変わることのできなかった 弱さだけ
硝子の破片を踏みしめながら 奏でられる運命の前奏曲
それはきっと これから先の虚しさの序章でしかないのだけれど
僕はその 紡がれるであろう物語に
花びらを落として 少しでも美しくしてやろうと思うよ