詩人:快感じゃがー
ぬるま湯にふやけた
気持ちの悪い毎日
麻痺した感度
歪んだ空の下
ブレーキのかけかた
なんて
子供たちは知らない
だって大人が
教えなかったから。
わたしは
わたしは
欠陥品だと
あのとき
あのとき
先生が言った
わたしは
わたしは
劣等生だと
あのとき
あのとき
みんなが言った
たったひとつの
何気ない言葉が
誰かの人生を
左右する現実
先生はもう
忘れてしまったでしょ
わたしにしたこと
わたしに言ったこと
名前も顔も
存在ですら
何もかも
忘れてしまったでしょ
多くの肯定や
優しさを上回る
ちいさな刺が
すべて台無しにする
かなしみの連鎖を
止めるためには
わたしが強くなるしかない
ねえ
先生はもう
忘れてしまったんでしょ
わたしにしたこと
わたしに言ったこと
こんなにも鮮明に
わたしは
覚えているのに
忘れたくても
忘れられないのに
闇雲な悪が
方向を見失ったとき
弱者はいつも
受け止めるしかなくて
その痛みを
勝者は知るよしもない
這い上がるために
ぼくらは
強くなるしかない