詩人:剛田奇作
昔 バイトしてた スーパーの青果コーナーで
そのおやじは
のさばってた
野菜を仕入れてもってくる仕事なのに
お医者さんや先生みたいに俺は偉いんだぞって感じの態度だった
知っていることの自慢を延々と語った
安っぽいえらそうだな
今思えば
政治家きどりで
いろんな批評や考えを語った
おやじ
おやじ
話を聴く
高校生の私は、
そうなんですか、すごいんですね、へぇ
なんて純粋に感動して
おやじに
浅はかな世界観を説明されて
おやじ
おやじ
寂しかったんだろう
嫌らしいことも考えただろう
おやじ
おやじ
太い、暑苦しい、ださい
おやじ
青果コーナーにまだいるか
おやじ
病気になるな
おやじ
元気に
下らない話
偉そうにしながら
今も、のさばっていろよ