詩人:りんくす
救い猫に出会った頃一人籠った部屋の中夜更けの窓辺かげろう色した蚊がもがいていた窓の外を目指しているのか幾度となく舞い上がりその度に力尽きたように落ちてゆくそれでも蚊は飛ぶのをやめなかった思わず開けたガラス窓から開放されて闇の中に消えたあの蚊の命の長さはあとどれほど残っていたろうか…それから数年の間蚊をパチンとすることができない自分がいた蟻を避けて自転車で何度か転びかけたちいさな羽音のおおきな命