詩人:どるとる
この窓から見える景色はもう秋の色に染まり
葉っぱは黄色に朱に染まる
並木道を歩けば
なんだか肌寒くて
ポケットに手を入れ
黄昏てしまうよ
振り返れば
僕も大人になって
もっとしっかりしなくちゃと思うけど
風に吹かれて
心ふるえて
たどり着いた
夕闇の中
少しだけ優しすぎるだけ
それだけでいいような気がするから
これ以上背伸びする気はないのさ
ジャケットの襟を立ててまた歩き出す
並木道に背を向け
映画のラストシーンみたいにかっこうつけてさよなら
雨の気配 冷たい風が吹き始めて
葉っぱを散らす
窓の外は
木枯らしの子が騒ぐ
秋風にさそわれて
ふとドアを開けたら
そこはもう冬の街
白い時間が流れる。