詩人:サエ
夜中に見返す愛しい文字たち
きれいに並んだ愛しい文字たち
もうすぐ消える愛しい文字たち
透明な宝箱があったらいいのに
秘密の角を曲がったら
そこは月明かりもない夜のなか
あなたに背を向け火をつける
煙がくゆる夜のなか
あなたが私を呼んでいる
私の名前を繰り返す
返事なくても続けるあなた
何度も唱える呪文のようで
続く呪文は魔法のようで
私は魔法にかけられて
あなたの呪文が愛のことばに聞こえるの
名前をひとつ呼ばれるたびに
私の体温が上がってく
名前がまるで
愛してるの隠語のようで
あなたに何度も唱えて欲しくて
私は聞こえない振りをする
消費期限はあと2日…
あなたはあと何度
魔法を使うだろう