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詩人:いもけんぴ佐藤ロビンソン
僕らには まだ
祈らなけりゃならないことが
いっぱいあるはずなんだ
さあ 手をつないでみよう
もしも今日、寝ているあいだに
ふたりのあいだを
ミサイルが通過したら
きみも僕も
引き裂かれてしまったことさえ
気づかずに死ぬんだろう
明日なんてものは
誰も持っちゃいない
ただ僕らは 好き勝手に
嬉しい予想 悲しい妄想
そんなものを繰り返して
ただ 今を生きているだけ
もしもいま、つながった僕らの手を
なにかの拍子にまっぷたつにされて
そのショックできみも僕も
お互いの名前さえ忘れてしまって
だけど、僕らの歴史の上では
それはほんのささいな出来事なんだよ
過去も未来も人間の
そうぞう物でしかない
僕らが手に入れたのは 確かな今
今 僕を包み込んでくれる
きみの愛こそが永遠を名乗るんだ
−過ぎゆく瞬間こそが
無常こそがわたしたちを生かす−
明日なんてものは
誰も待っちゃいない
ただ僕らは好き勝手に
輝かしくも 悲劇的な未来を
拒むようなそぶりをして
望んだままに 手に入れるんだ