詩人:灰色
泣いてた理由
怖がってた理由
そんなもの
遠い昔に忘れ去ってしまったけれど
今、怖くてたまらない
今、涙が溢れて止まらない
幼い頃
天井の染みを怖がって
眠れなかった
朝になったら
いつの間にか寝てるんだけど
夜の怖さが蘇ってきて
夜になるのが怖かった
そんなときは
母にくっついて眠った
あの時と
同じような
理由のない恐怖に今襲われるけど
今寄り添って眠る人はいない
幼い頃
友達に言い負かされて泣いた
朝になると
仲直りしてるんだけど
また喧嘩して
泣いた
口々に先生に言い合って
もう理由も分からなくなって
泣いた
あの時と
同じような
ただ悲しいだけの涙が今溢れるけれど
今全てを聞いてくれる人はいない
僕は君に
寄り添って眠って欲しいんだけど
僕は君に
話を聞いて欲しいんだけど
けど僕は
君の前だと
どうにも素直になれなくて
何を言ったらいいか
分からない