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詩人:紀帆
何だか寝付けない日に
何だか物悲しい日に
わたしが音楽家なら
持て余した感情を音符に変えて
わたしが絵描きなら
ドロドロでベタベタな絵筆を振り回して
わたしがソムリエなら
今の気持ちにぴったり合うワインなんか取り出してさ
何百年後とかに有名になったり感動させたりしてさ
価値までついちゃって
でもわたしはそんなんじゃないから
泣いたり笑ったりして
叫んだりデタラメに歌ったりして
時には叩いたりして
あんたを困らせちゃうんだろうけど
不特定多数の誰かにいつか
伝えたいわけじゃないから
我慢してくれて ありがとう