詩人:どるとる
つぶれた店のシャッターにもたれて
ふたりはしばらく
トタンの屋根の下いつやむともわからない雨がやむのを待ちながら
途中で途切れたり つながったりする会話を不器用に続けた
たまに後ろめたいことが話題にのぼるとうまくごまかしたり
笑っていたりした
多分僕らの愛はどこか完璧なように見えてもそれは見かけ倒しの張りぼて
ちょっと大きな地震が起きたら 簡単に崩れてしまいそうなほどもろい恋でした
うまく言えないけど
多分僕は君を愛してる
ちゃんと言えないけどきっと僕は君を愛してる
雪どけのあとに
残る白い記憶
あんなこともあったっけ
こんなこともあったっけ
今じゃ思い出したくても思い出せない記憶
雪がやんでしまったあとじゃ寒くてわからないよ
凍えるのは心もいっしょさ。