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詩人:詩奈
探していたの、ずっと
ぐっとくる瞬間は
どんな時だろう
嬉しい瞬間は
どんな時だろう
だけど
毎日は同じように
襲ってきて、
今日もアラームに騒がれ、
半目でテレビをつけ、
無表情に淡々と語られる
悲劇を聞き流し、
朝ごはんを食べ、
服を着替え、
家を出て、
駅までダッシュし、
満員電車に押し込まれ、
こんな日常は嫌だと
今日も思い、
同じように押し込まれた
サラリーマンと共に
ため息をはく。
昼間ぎりぎりのところで
乗り切り、
また夕方は
満員電車に押し込まれる。
吊り革で立ったまま寝た
OLの隣で
音楽を無心できくことに
専念する。
それでも
探しているの、ずっと
いつか、いつか、いつか
見つかるように