詩人:甘味亭 真朱麻呂
時の裏側までも
ずっと ずっと
いつまでも
きっと ずっと
続いていくのだろう
ふたりの、
物言わぬ植物という概念ではない父親という概念が当然の形として彼女の中にありそのような眼差しでいつまでも変わらなく見つめている
そして物言わぬ植物は物言わぬ植物としての生涯を彼女の話し相手やうっぷんの吐き場所ではない生涯として彼女の実の父親としての生涯の中で彼女の本当の父親であるか否かを想像させない不変の愛情がいつの間にか彼女の心に灯っていたのであろうかなと私自身としは自分勝手な考えにのっとり
想ったのだ。
彼女の想像の中だけで続く物語。物言わぬ植物へ
物言わぬ植物
物言わぬ植物
君は何も言わない
君は何も喋らない
物言わぬ植物は
物言わぬ植物は
物言わぬ植物は
只の木であるから
只の木なのだから
喋る筈もないけれど
あなたがたとえば何かの魔法で植物に変えられてしまった人間であるならば
私はあなたをそうなんだと思いこむことにします
思いこむことで自分の傷みや哀しみを背負いきいてくれる
吐き出し場所にさせてもらいます
このつらく重い孤独感を紛らすためだけに
そしていつからかこんな愛情をもったあなたは今ではもう人間以上の光を放つ私の大好きなお気に入りの物言わぬ植物じゃなく『無口なだけの人間』に私の中でいつからか変わったのだから
すり寄せた頬と
あつい私の火照りは愛の形というならそれは違うモノかもしれない
だが私はあなたを愛し普通の人間となんら変わらないひとりの男性として恋(こ)い慕(した)い寄り添い付き合います……それが愛
それが私たちの愛の形
愛の真実
そう信じて疑わないだけの純粋さという名前だけの仮面を身につけたまま
これは愛だ
これは恋なんだと
ただ子供じみた幼すぎるだだをこねる
こねて心にうそをつき続け