詩人:甘味亭 真朱麻呂
心に枷をはめる。偽りという永遠に外せぬ永遠の枷を
そんな日々を暮らしてくのだ
いつまでも
命終わらしめる日までしぬまで ずっと
うそをつき続ける
それが愛であると簡潔に導き一度そうだといってしまうのならば彼女の中でのそれは紛れもない真実なのだから
疑う余地などどこにもありはせず
誰も疑えず嘘だとは言えないのだろう
よしんば嘘だと想ったとしても
それは彼女の中では絶対的な真実であるのだから
誰も文句は言えず彼女を止めることはできないから
彼女の中での物語は続いていくのだろう
くるおしいほどに
彼女のゆがみすぎた愛は形をなしてここに紛れもない形として在り これからも在り続ける
悪夢のような幻想が終わらない限り彼女自信の手でもって終わらせでもしない限りずっと永遠に命終わりになっても続く
後生になっても
永遠の愛
悪夢のような
黒い真実として
在り 在り続けるんだ
この人間のように誘い出すようなふらちさで腰をくねらせ甘い言葉をささやき言葉じゃないふたりにしかわからぬ何かで愛し合う"ふたり"の世界の中でそれは続く
ずっとずっと続くんだ
彼女の頭の中だけで続く物語として
彼女の儚く恐ろしき妄想の巣の中で
続いていくのだろう
彼女の想像の中だけで続く物語は ずっと
続いていくのだろう
儚くおどろおどろしいメロディと歌声でうたう地獄の業火のような暑すぎる愛で祝杯を交わす席に流れるその生け贄を喰らいしたたる赤色と同じほどの銘柄のないしぼりたてのワインとくるい鳴る賛美歌のような
そんなレクイエムをはらみながら
流れ続ける
ふたりの時間はもはや帝王に約束された永遠であって地獄の舞踏会でくるい踊る
それはワルツのように
ふたりは流れていく
ともに踊るように
くるったように過ぎていく人生を踊りながらくるい笑う
終わらない