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詩人:どるとる
ファインダーからのぞく四角い世界
レンズ越しに閉じこめられた景色
悲しくても
嬉しくても
そこにある日常
箱を開ければ
単純なストーリー
目を開いたら
そこにはもう
無いまぼろし
見えない汽車が
汽笛をあげて
空へとのびた
レールを音もなく駆け上がる
これは摩訶不思議な
終わることのないストーリー
始まりもなかったように思うのは
勘違いなんかじゃない
あなたがいて
僕がいて
ここにある幸せ
変わらない平凡
汽車は今日も走る
僕たちを無意識のうちに乗せて
ふるさとという名の
空へと還る鳥たち
その羽音だけがひびく とある土曜日。