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詩人:栢徠
吐き気がした
胃がグルグルと回る
原因は別に目の前にある死体じゃない
体はグチャグチャなのに頭は無事
車にでもはねられた?
あぁ、吐き気が止まらない
きっと誰かが片付けるんだ
とても嫌そうな顔をして
吐き、たい……
「なら、吐けば良いんだよ」
体から頭が離れてこちらを向いた
いや、元からついていなかった?
……誰が喋った?
「吐けば良いんだよ」
「それで何かが変わる?」
私は生首に言葉を返す
だって、ここで喋りうるのはこの生首だけ
「少しはスッキリするんじゃないかい?」
あぁ、私も彼のようになれば良いのに
唐突に、本当に唐突にそう思った